谷川岳 一ノ倉沢 衝立岩 中央稜 2022/10/2

9月中に2回予定していた谷川岳エリアの一ノ倉沢と幽ノ沢は両方とも台風が直撃して中止になり、
10月2日、やっと晴れた~!!と、行ってまいりました衝立岩中央稜。久しぶり、3回目かな。
紅葉にはまだ早かったですが、それでもやはり晴れた一ノ倉沢は最高です。
一ノ倉沢が初めてのメンバーも入れて、3人で行ってきました。


いつもの道。テールリッジ。
今まで何往復したかわからないが、何度登っても気持ちが良い。
正面の衝立岩がいつみてもかっこいいですね。

今回は3人だが、ひとり初心者、2人はリードもしたい、なので初心者1名を間に挟んでリードは2人で交代しながら進むことにした。
1ピッチ目、テールリッジの先っぽ的な部分を登って中央稜に乗る、みたいな区間。別段難しいところはないが最初なのでゆっくりゆっくり。ここは石ちゃんのリード。

2ピッチ目、と、3ピッチ目。
ここは私のリード。
2,3ピッチ目は50mロープでギリギリつなげることができる。
トポだと、2ピッチ目でカンテっぽいところを裏側へ回り込んで少し登ったところまで、3ピッチ目は出だし右にトラバースして衝立岩の表側に戻ってから上に向かって登る感じに描かれているが、もちろんそれで合っていると思う。
でも、これだと2ピッチ目と3ピッチ目が繋げられない(ロープが流れない、ロープの長さが足りない)ので、
2ピッチ目の終了点から右にトラバースしないでそのまま直上する。通常のトラバースしていくルートより少し難しいのかな。でも、Ⅳって感じで、しっかり落ち着いていけば問題ありません。一か所辛い部分があるので初心者にはお助けロープを付けておく。ロープが45mくらいでたところで右にトラバースすると50mぴったりで3ピッチ目の終了点に出る。ロープによっては1mくらい届かないので、その場合はビレイヤーに少し動いてもらうしかない。
下の写真は3ピッチ目の終了点。


4ピッチ目。中央稜の核心。
下の写真。
最初は直上、ビレイヤーから見えなくなる位置くらいからホールドが縦気味のが多くなって初心者だと少し苦戦する部分。少し右に寄りながら登っていくとチムニーっぽい部分に出る。
チムニー部分は直上できるが、チムニーに入ってすぐに左の垂壁にトラバースしてから直上すると割と楽に行ける。
どちらでもいいと思う。このピッチは初心者にはお助け紐をところどころに付けておいてあげたい。


下の写真は5ピッチ目の終了点。
5ピッチ目は別段難しいところはないが、終了点に上がる手前がちょっとだけ癖があるかな。
ピナクルの下にビレイポイントがあります。狭いので6ピッチ目のリードをビレイするときはピナクルに座ってすると楽。ピナクルの上にも支点あります。


下の写真は6ピッチ目だか7ピッチ目の終了点。
傾斜はゆるめ。


下の写真、これが最後のピッチ。
このピッチの出発点を右の藪に入るとガレのルンゼに出て歩いて終了点まで行けます。
でもそれじゃもったいないので、ここも直上していきます。
たぶん右のルンゼに出るのが一般的なはずだが、直上が意外と面白い。
ここを直上するとピナクルの先っぽのとんがりに出て、とんがりの上に支点が一つあります。
そこでランニングを取って、ピナクルの裏側にクライムダウンします。
4~5m下りると草付き斜面で、その斜面をトラバースすると終了点。


下の写真、最終ピッチを直上してピナクルのトンガリの上までセカンドとサードが上がってきたところ。ビレイしているのが終了点。
クライムダウンする部分がちょっと恐いのだが、ゆっくり行くとホールドもスタンスも見つけられます。それよりもその後のトラバースで転ばないように注意。





終了点からは北稜を懸垂下降していきます。
1ピッチ目:40m、分かりやすいテラスまで。
2ピッチ目:40m、藪の中の踏みあとに突っ込んで木に懸垂支点あるのでそこまで。ダイレクトカンテから上がってくると調度この懸垂支点のところに出てきます。
3ピッチ目:40m、少し開けた、でも藪っぽい感じの壁を懸垂下降で狭いテラスに出る。懸垂ラインの少し右寄りに支点があるので見逃さないように。見逃すと途中でロープが足りなくなり登り返すことになります。

4ピッチ目:30mくらい、割とロープが残った状態でこの支点に着くので、もうひとつ下の支点まで届くのでは?と行ってみると届かないので注意。ただし、60mロープだと届く。

5ピッチ目:30m弱、ここが北稜下降の要注意ポイント。しっかりルートファインディングしないとルートを間違える。イメージ的には下降方向に向かって左寄りに行くこと。重力に従って真っすぐ下りるとハズレのルートに導かれます。最後に下降方向左寄りに行くと次の懸垂支点に到着します。間違って真っすぐ下りると、それはそれで次の懸垂下降支点があります。ただし、間違った方の懸垂支点は次の着地点が藪の中です。藪を漕いでルート修正する必要があります。正解のルートだとキレイなスラブに出ます。
6ピッチ目:正解ルートなら気持ちの良い空中懸垂で緩いスラブの上に着地します。そこからトラバース気味に進むと岩陰に次の懸垂支点を見つけることができます。ハズレルートで藪に着地してしまった場合はスラブ方面に向かって藪漕ぎしてください(下の写真の左の藪の中に着地してしまいます)。

7ピッチ目:リングボルト4個の懸垂支点から垂壁を懸垂下降して、そこからトラバースしてピナクルのあるテラスに向かいます。ここはスラブを真横にトラバースするので、ロープの重さに引っ張られて転ぶと思いっきり振られるので注意。進みにくいので下降器は外してフリクションノットだけにするとか、ロープに引っ張られないようにしたほうが安全かも。

ピナクルからは、何となく踏みあとがあるのでそれをたどると沢筋に出ます。この沢はハズレの沢で、下降するのはさらにもう少し藪漕ぎした隣の沢(衝立前沢)です。ここで間違えないように!!
沢を下降していくと最後に滝があって、そこは懸垂下降します。汚くて古いスリングが支点にたくさんついていたので、全部切って新しいスリングに架け替えておきました。
衝立前沢から一ノ倉沢に出て、少し下ると右岸側にフィックスロープがあるので、そこから下ります。フィックスに下降器を直接つけて下りると安全。着地点から少しトラバースなので滑ってこけないように。
ひょんぐりの滝はフィックスロープあるので、それにつかまって下りる。左岸沿いに傾斜の緩いラインがあるのでフィックスにつかまってそちら側から下りる人が多いけど、滑ると振られるから、フィックスにつかまって下りるなら素直に真っすぐ下りた方が安全。ただ、フィックスはかなり傷んでいたので、100%依存するのは危ない感じでした。
ここまで下りれば後は歩きだけ、、、、なんて油断してほっとしていると間違って沢沿い行ってしまい沢下降になってしまいます。途中で右岸側の巻き道に入るポイント(ピンクテープ)を見落とさないように注意。左岸の大きな岩2個も目印に良いかも。ここまで戻ってきた時点で薄暗い時間帯になっていることもあると思うので忘れないように。見落として沢下降になってしまった場合、さっさと右岸側に行って藪に突っ込んで藪漕ぎして巻き道に出ましょう。

お疲れさまでした。